【医学論文】【整形外科】カクテル麻酔に含まれるアドレナリンが血行動態に与える影響について

医療

どうも、駆け出し整形外科医のアラサーキンです。

みなさんいかが、お過ごしでしょうか。

継続は力なり、今日も記事を更新します。

https://www.arthroplastyjournal.org/article/S0883-5403(19)30813-7/fulltext より引用

今回はカクテル麻酔に含まれるアドレナリンについての研究の紹介です。

カクテル麻酔は、今や人工関節の手術では欠かせない周術期の疼痛管理のtoolですよね。

カクテル麻酔は人工関節手術の疼痛管理における、多角的アプローチの一つとして、2007年のRanawatらにより広められました。論文は以下です。

Pain management and accelerated rehabilitation for total hip and total knee arthroplasty - PubMed
Improved pain management techniques and accelerated rehabilitation programs are revolutionizing our patients' postoperative experience after total hip and knee ...

術後の疼痛を抑え、患者さんの苦痛を和らげ、リハビリも進みやすくしてくれるといったメリットの多い手技です。採用している施設が日本でもかなりあると思います。

今回の論文は2019年にThe Journal of Arthroplastyに掲載された韓国のSeokha Yooらによる研究です。

カクテル麻酔は患者の循環に影響するのか?

カクテル麻酔には麻酔の持続時間を伸ばす目的でアドレナリンが含まれています。

「アドレナリンが血中に回ることで血圧を上げたり、血行動態に影響することは無いのか?」

ここが今回の研究の疑問点です。

私も人工関節の手術では、カクテル麻酔を使用しています。

あまり血行動態に影響が出ることを意識したことはありませんでしたが、カクテル麻酔使用後に血圧が上がったという症例を経験したことはあります。

概要

カクテル麻酔・・・局所浸潤鎮痛法(LIA, Local infiltration analgesia)

【背景】局所浸潤鎮痛法(LIA)は膝関節全置換術を受ける患者に広く用いられているが,鎮痛効果を持続させ,局所麻酔薬の全身吸収を抑えるためにアドレナリンを含むことが多い。今回の後方視的な観察研究では、TKA術中のターニケットを解除した後に局所的に浸潤させたエピネフリンの血行動態への影響を調べた。


【方法】韓国ソウルの大学病院で2017年1月から2018年2月に人工膝関節全置換術を受けた患者の電子カルテをレビューした。人工膝関節全置換術は、ターニケットを用いた従来の手法で行われた。LIAの内容は、ロピバカイン、硫酸モルヒネ、ケトロラック、メチルプレドニゾロン。LIAにエピネフリンが含まれているかどうかで、患者を2群にグループ分けした。ターニケット解除後の高血圧(収縮期血圧160mmHg以上または平均血圧110mmHg以上)の発生率を2群間で比較した。

カクテル麻酔のレジメ:

  • ropivacaine 180 mg,
  • morphine sulfate 5 mg,
  • ketorolac 30 mg
  • cefazolin 1 g
  • methylprednisolone 40 mg
  • with or without epinephrine 600 mg. The total volume of LIA solution was 60 mL.


【結果】合計452名の患者が、エピネフリンを含む(n =188)または含まない(n =264)LIAを受けた。ターニケット解除後の高血圧は,エピネフリンを含むLIAを受けた患者(42/188 [22.3%])のほうが,エピネフリンを含まないLIAを受けた患者(14/264 [5.3%],P < 0.001)よりも多かった。しかし,止血帯を解除した後の低血圧の発生率は,2群間で有意な差はなかった(P =0.976)。


【結論】エピネフリンを含むLIAは、人工膝関節全置換術中の止血帯解除後に高血圧反応を引き起こす可能性があるため、特に心血管合併症のある患者には慎重に投与する必要がある。

読後

この論文でのカクテル麻酔のアドレナリンの量が多いというところには引っかかりましたが、血圧をあげるという結論には変わりありません。

まあアドレナリンが作用するわけですから、当然といえば当然かもしれませんが。

高血圧はアドレナリン群で有意に多く認めましたが、肺水腫や心筋障害などの合併症を含む、術後のoutcomeには2群間に差は出てないです。

TKAは高齢者、80代でもする手術ということを考えると、アドレナリンの使用に伴う心不全のリスクなどは想定しておく必要がありそうです。

ではでは!!今日はこの辺で!!

Adios!!!!

 

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