膝関節特発生骨壊死(Spontaneous Osteonecrosis of the Knee)

医療

どうも、駆け出し整形外科医のアラサーキンです。

みなさんいかが、お過ごしでしょうか。

継続は力なり、今日も記事を更新します。

今回は、膝関節特発生骨壊死について。

俳優の坂口憲二さんのニュースで話題となった特発生大腿骨頭壊死症と同じように、膝の骨が壊死してしまう病気です。

稀な疾患ではありますが、実際に患者さんを担当したこともあり印象深い疾患です。

膝関節特発生骨壊死とは

膝関節特発生骨壊死(Spontaneous Osteonecrosis of the Knee、以下、SONK)は、1968年にAhlbäck Sらによって、「急速な片側の膝関節の疼痛と腫脹をきたす疾患」として初めて報告されました。特発生であり原因が明らかではなく、ステロイド性・アルコール・外傷性などの二次性の骨壊死症とは区別される。

疫学・原因

・60歳以上に好発し、女性の方が男性より3倍罹患しやすい。

・大腿骨内顆に多く発生するが、外顆や膝蓋骨や脛骨近位にも発生する。

・特発生の名前の通り、原因はまだ明らかにはなっていない。

・今までのところ、軟骨下の脆弱性骨折(SIF)や微小な外傷による骨髄浮腫が生じて壊死につながるなどの説が示唆されている。

・2019年のHussainらの報告では、SONKと半月板損傷の高い関連性が報告された。内側半月板の後根の損傷により大腿骨と脛骨の接触圧が変化することで、SIFが生じるという仮説を立てている。

・SONKとは診断はされずに、末期の状態となり変形性膝関節症として診断されている症例もかなりあ存在するとされている。

症状

・片側の急性発症の膝の痛み、内側の痛みのことが多い

・安静時痛や夜間痛、荷重時の痛みがある

・膝内側の局所の圧痛を示し、軽度の可動域制限も出る

検査・病期分類

・X線撮影を行うが、早期(stageⅠ)の場合はX線ではわからず、MRI撮影が必要になる。

・stageⅡ以上になるとレントゲンでも変化がわかる。

・レントゲンによる病期分類としては、横浜市立大学の腰野先生が発表されたKoshino分類や更に修正を加えたAglietti’s分類がある。

・腰野分類

 stageⅠ:症状はあるもレントゲン画像は正常

 stageⅡ:骨透亮像や顆部の平坦化像が見られる。壊死部の陥没はみられない。

stageⅢ:骨透亮像を骨硬化像が囲む。壊死部の陥没が進行する。

stageⅣ:陥没がさらに進み、変形性関節症になっている状態

治療

・治療方針は、壊死部のサイズやレントゲンによる腰野分類の病期に応じて、患者の年齢や活動レベル、症状などを考慮して決定される。

・stageⅠⅡ(pre-collapse)の早期では、保存治療が基本。外側wedgeの足底板を使用、NSIADsなどの鎮痛薬、免荷により治療行う。しかし、病変のサイズが5.0cm2以上の時は手術加療が必要となることが多い。

・病変が5cm2以上の時や顆部の50%以上を占める場合、3ヶ月の保存治療で反応しない場合には手術治療が選択され、病変のサイズにもよりますが関節鏡手術やcore decompressionや自家骨軟骨移植、HTOが検討されます。

・stageⅢ、Ⅳ(subchondral collapse)に進行した場合は、HTO・UKA・TKAの手術が考慮されます。年齢が比較的若く、活動量が多い場合はHTOを考慮。高齢の方で、条件を満たせばUKAが適応となります。

治療法の選択に関しては、症例に応じて、病期・病変の大きさ・患者の年齢や活動量など総合的に判断して決めていく必要がある。

コメント

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